リスティング広告は日々改善が必要です。とは言っても、いきなり変更するのはあまりにも無謀です。
ABテストを実施しながら、効果があるものに少しずつ改善していきましょう。ということでリスティング広告のABテストを解説いたします。
ABテストとは?
リスティング広告でのABテストとは、改善のアイデアがある際に、どちらのほうが効果が出るのか、両者を実際に比較検証する試験のことです。
ABテストのポイント
ABテストを行う時のポイントは以下の点です。
- 目的を明確にしておく
- 仮説を立てておく
- 比較条件を合わせる
- 母数をしっかり集める
目的を明確にしておく
クリック率、直帰率、コンバージョン率、さまざまな指標がありますが、先に何を改善したいのか、指標をしっかり決めておかないといけません。片方の指標が上がれば片方が下がるというトレードオフの関係になることも多く、テストを実施してから考え出すと、だいたいブレます。
仮説を立てておく
なんとなくABテストを始めて、テスト実施後の結果を見て考えようと思っていても、なかなかうまくいきません。
例えばボタンの色を変える時も、「〜だと思うので、黄色か赤を試す」など、こう思うので、AとBをテストするという感じでABテストを行い、数週間後にテスト結果を受け入れましょう。
実は後から理由を考えるほうがよっぽど難しいです。
比較条件を合わせる
検索広告のABテストで、テキスト広告とレスポンシブ広告を比較したり、バナー画像のABテストで、バナーサイズが違うものを混ぜた比較などはしないようにしてください。比較する条件は合わせましょう。
セッション数(母数)をしっかり集める
ABテストはクリック率やコンバージョン率などを扱うだけあって、完全に確率の世界です。
確率では大数の法則というものがあります。試行回数が少ないと確率どおりにいきにくく、いわゆる運任せ、ギャンブルと変わらないものとなり、逆に試行回数が増えるほど確率に近づき収束していきます。
ABテストの実施期間はどれくらい必要か
ABテストは期間というよりは、どれくらい試行回数を実施したかというのが重要になります。
試行回数(セッション数)はどれくらい必要か
リスティング広告でいう試行回数はセッション数になるわけですが、どれぐらい必要かというと、確率分母の100倍の試行回数で、95%の確率で誤差±20%以内の確率、さらに確率分母の400倍の試行回数で、ようやく95%の確率で誤差±10%以内の確率になります。
コンバージョン率1.0%の施策であれば、1%は分数にすると1/100なので、その100倍の10,000セッションで0.83〜1.25%(1/80〜1/120)、400倍の40,000セッションで0.91〜1.11%(1/90〜1/110)の確率に収束します。コンバージョン率10.0%の施策であれば、1/10なので、1,000セッションで8.3〜10.3%(1/8〜1/12)、4,000セッションで9.1〜11.1%(1/9〜1/11)の確率に収束します。
つまり、セッション数がたくさんあるほど、真実に近いということです。逆にこれをわからず、数セッションだけで判断するのは、もはやABテストとは呼ばず、ただの勘、思い込み、ギャンブルの類と変わりません。それなら運用担当者を巻き込んでABテストしたいなんて言わず、独断と偏見で好きなやつに決めてくださいって思います。
ABテストの方法
ABテストは極力不必要な因子は取り入れないようにすべきです。
逐次テストか並列テストか
Aの広告を一定期間配信した後、Bの広告を試すというのが逐次テストです。AとBを同じ期間に出しわけをするのが並列テストですが、この場合断然並列テストのほうが、テストとしての精度が上がります。
逐次テストだと、どうしてもAB間の差以外にも時期的な要因が乗ってしまうため、特別な理由がなければ並列テストをおすすめします。というか並列テストでやりましょう。
ABテストの実施方法
広告文やバナー画像などのクリエイティブのABテストを行う場合は、同一広告キャンペーン内で、AとBの広告を作成し、同時に配信開始すればOKです。必要なセッション数がたまった後に比較検証します。
LP(ランディングページ)でもABテストは可能
LPのABテストの場合は、Googleオプティマイズなどのツールを活用します。その際に、合わせてヒートマップツールも活用すると、より効果検証が行いやすくなるのでおすすめです。
広告は日々改善するのが重要
リスティング広告運用は、ただ開始すれば良いというものではありません。日々効果検証をおこない、改善していくことで、売り上げアップや、本当に意味のある広告に近づきます。なかなか一人ではこういった改善は難しいと思いますので、ぜひWHITE DISHにご相談ください。