「P-MAX広告と検索広告、CPAが低いのはどちらなのか。」
「P-MAX広告のほうがCPAが低くなっているがこれは信じていいのか。」
「それとも、検索広告に予算を集中させた方が確実なのか。」
Google広告を運用していると、こういう疑問は必ず出てきます。WHITE DISHでも同じ疑問を持ちました。
P-MAX広告は一般的には検索広告に劣後します。狙っているユーザー層が違うからですね。検索広告のほうが顕在層を刈り取るため、CPAは低く抑えることができるのが普通です。
しかし、業態や機械学習の結果によってはP-MAX広告の方が計測CPAが低く抑えられることがあります。
つまり数字の上ではP-MAX広告が検索広告を上回っていることになります。でも、その数字を正しい「成果」として扱っていいかどうか不安ですよね。
私たちは地域密着型サービス業A社との12ヶ月の運用で、CRMを突き合わせて実際の有効率を確認し、そのあたりの疑問を解消しました。
結果としては、実際の有効率で補正してもなお、P-MAX広告の実質CPAが検索広告の5分の1——P-MAX広告のパフォーマンスが検索広告を大幅に上回っていたという結論が出ました。その検証内容を公開いたします。
この記事の要点(2行まとめ)
- P-MAX広告の計測CPAをそのまま信用しません。通話録音・CRMを突き合わせて媒体別の「有効率」を算出し、実質CPAで比較しました。有効率補正後もP-MAX広告は検索広告の約5分の1のCPAでした
- P-MAX広告と検索広告では流入するユーザーの検討段階が異なります。同じLPを使い回すと機会損失になります。A/Bテストで媒体別にLPを分けた後にCPAが改善しました
前提:A社と運用体制の概要
- 業種: 緊急性の高い地域密着型サービス(問い合わせから実際の利用まで数時間以内が多い高関与度・低頻度サービス)
- 月間予算: 50万円(P-MAX広告 25万円 / Google検索広告 25万円)
- 目標: 電話・問い合わせフォームのコンバージョン最大化
- 競合環境: 検索広告の競合が多く、クリック単価が高い激戦市場
P-MAX広告 vs 検索広告 CPA比較(12ヶ月実績)

12ヶ月間の媒体別CPA平均(計測値)

| 媒体 | 平均CPA |
|---|---|
| P-MAX広告 | ¥2,475 |
| Google検索広告 | ¥22,498 |
管理画面を見ると、P-MAX広告が約9分の1のCPAです。この差が本物かどうかを確かめるのが、最初の仕事でした。
直近3ヶ月の推移です。
| 月 | P-MAX広告 CPA | 検索広告 CPA |
|---|---|---|
| 2026年3月 | ¥1,200 | ¥14,531 |
| 2026年4月 | ¥820 | ¥26,988 |
| 2026年5月 | ¥593 | ¥13,826 |
検証①:ボット混入を除外した「実質CPA」を算出する

P-MAX広告のコンバージョン計測には、YouTubeやディスプレイ面の誤タップ・ボットが混入しやすいです。そのため、管理画面のCV数をそのまま信用するわけにはいきません。
WHITE DISHでは、計測されたコンバージョンに対して通話録音とCRM(顧客管理データ)を突き合わせ、実際に問い合わせとして成立した件数を媒体別に実測しました。Google広告の管理画面のコンバージョン数に対して、通話内容と顧客対応記録を照合し、有効なリードとして確認できた割合(有効率)を算出しました。
- P-MAX広告有効率: 12.5%(計測CVのうち実際に問い合わせとして成立した割合)
- 検索広告有効率: 22.2%
今回得られた有効率を計測CPAに当てはめ、実際の有効CPA(実質CPA)を計算するとこうなりました。

| 媒体 | 計測CPA | 有効率 | 実質CPA |
|---|---|---|---|
| P-MAX広告 | ¥2,475 | 12.5% | 約¥19,800 |
| 検索広告 | ¥22,498 | 22.2% | 約¥101,000 |
実質CPAでもP-MAX広告のほうが約5分の1と優れています。
実際の有効率まで追跡して実証しましたが、それでも今回はP-MAX広告のほうが圧倒的にパフォーマンスが良いというのがわかりました。
面白いのは、やはり有効率自体は検索広告のほうが高く、コンバージョンの精度自体は検索広告が高いという点もわかりました。
ただし、今回においてはその差を上回るほどP-MAX広告のCPAが良かったため、実質CPAでもP-MAX広告のほうがはるかに良い結果となりました。
検証②:媒体ごとにLPをA/Bテストして最適な遷移先を決める

P-MAX広告・検索広告の両媒体に「従来LP」と「新LP」を同時設定して、どちらの成果が上かを検証しました。テスト期間は2025年9月〜2026年2月の約6ヶ月間。各媒体の月間予算を均等配分し、計測CPAを比較しました。 従来LPはSEOから広告流入まですべての流入をまかなうLPでした。そこに、広告流入専用として主に顕在層を狙ったLPを制作したのが新LPです。
結論として、媒体によって正反対の結果が出ました。
テスト期間全体を通じたGA4のCV率の比較データです。
| 媒体 | LP | セッション | CV件数 | CV率 |
|---|---|---|---|---|
| P-MAX広告 | 旧LP | 15,059 | 140件 | 0.93% |
| P-MAX広告 | 新LP | 13,968 | 88件 | 0.63% |
| 検索広告 | 旧LP | 925 | 4件 | 0.43% |
| 検索広告 | 新LP | 3,580 | 22件 | 0.61% |
検索広告: テスト期間を通じて新LPのCV率が旧LPを上回りました(新LP 0.61% / 旧LP 0.43%)。早々に新LPのほうが明らかに優れており、統計的にも有意差のある結果が出たため、開始2ヶ月で新LPへ一本化しました。検索広告経由は「今すぐ決めたい」顕在層が多く、シンプルに行動を促すLPとの相性が良い結果でした。
P-MAX広告: 旧LPのCV率0.93%に対し、新LPは0.63%と約2/3の水準に留まり続けました(旧LP 15,059セッション/140件、新LP 13,968セッション/88件)。最終的にP-MAX広告では新LPは採用せず、旧LP(従来LP)へ一本化することにしました。P-MAX広告経由はYouTube・ディスプレイから来た検討初期層が多く、実績・口コミなど情報量の多い従来LPの方が機能しました。
今回の検証では「P-MAX広告と検索広告に同じLPを使えばよい」という前提は成立しませんでした。A/Bテストを経ずに一方のLPに絞っていれば、最終的に今回のような良好な結果は出ていなかったはずです。
P-MAX広告と検索広告では流入するユーザーの検討段階が異なるため、LPを媒体ごとに分けてA/Bテストで検証しないと最適解を見逃すことになります。
施策の節目と全体CPA推移

各検証・施策の実施タイミングと全体CPA(両媒体合算)の推移です。
| 月 | 全体CPA | 主な施策・変化 |
|---|---|---|
| 2025年7月 | ¥9,143 | 運用開始・学習初期 |
| 2025年8月 | ¥8,054 | 改善 |
| 2025年9月 | ¥4,067 | 時期的要因も重なり大きく改善 |
| 2025年10月 | ¥6,721 | 競合増加でクリック単価上昇 |
| 2025年11月 | ¥6,421 | 同上 |
| 2025年12月 | ¥4,626 | 改善 |
| 2026年1月 | ¥3,151 | 繁忙期 |
| 2026年2月 | ¥3,240 | LP A/Bテスト結果を受けP-MAX広告を従来LPに集約 |
| 2026年3月 | ¥2,034 | LP集約後に機械学習が収束、過去最高コンバージョン数 |
| 2026年4月 | ¥1,444 | さらに改善 |
| 2026年5月 | ¥1,044 | 過去最安CPA |
2026年2月のLP集約(検証②の結論実装)が、その後の改善加速の転換点になっています。
P-MAX広告のCPA逆転が起きる条件と再現性
この結果がA社で成立した背景には、サービス自体の特性があります。
緊急性の高い地域密着型サービスは、「いざ必要になったとき」に想起されることが重要です。P-MAX広告で潜在層に事前に接触しておくことが、後の検索・直接アクセスにつながりやすいサービス構造です。
あらゆる業種でこの結果が出るとは考えていません。BtoBの高単価サービスや指名検索が主流の商材では検索広告が依然として強く、ECでROASを重視する場合も購買意図の高い検索層を逃さない設計が優先されることが多いです。
ただ、「検索広告のほうが良いに決まっている」という前提を検証せずに維持していれば、A社でもこの結果は出ませんでした。最初に通話録音・CRMと突き合わせて有効率を実測し、LP A/Bテストを媒体別に実施し——その積み重ねが数字に現れたという記録です。
まとめ:P-MAX広告 vs 検索広告 CPA判断に使える2原則
1. 有効率を実測してからCPAを比較する
計測CVをそのまま比較に使いません。通話録音・CRMデータを照合して媒体別の有効率を算出し、実質CPAで判断します。
2. LPはA/Bテストで媒体ごとに検証する
P-MAX広告と検索広告では流入するユーザーの検討段階が異なります。同じLPを両媒体に使い回すと片方が不利になります。
WHITE DISHの広告運用支援について
本記事のデータはWHITE DISHが実際に担当したクライアント案件の実績です。
WHITE DISHは、広告運用・SEO・AI対策(AIO/LLMO)などを手がけるWebマーケティング会社です。ご相談はこちらから。
再現性のある成長を、データと誠実さでつくります。
データ出典: 当社担当案件の運用レポートおよびGoogle Analytics 4データ(2025年7月〜2026年6月)。社名・地域・業種の特定につながる固有情報は匿名化しています。